日常生活の中で物の値段が上下するのを感じたことはありませんか?
スーパーで同じ商品でも、ある時は値段が高く、また別の時は安くなることもありますよね。
物価がどうやって決まるのか、その仕組みを理解することは、日々の家計管理や将来の資産形成に役立ちます。
本コラムでは、そんな物価の決まり方を初心者向けに分かりやすく解説します!
1. 需要と供給で決まる物価の仕組み
物価が決まる基本的な仕組みは、「需要と供給」によって左右されます。
つまり、「買いたい人の数(需要)」と「売りたい人の数(供給)」のバランスが、物の価格を決定するのです。
- 需要が供給を上回るとき
買いたい人が多いが、売りたい物が足りないとき、物が不足し価格は上昇します。 - 需要と供給がバランスしているとき
買いたい人と売りたい物の数が一致しているとき、価格は安定します。 - 需要が供給を下回るとき
買いたい人が少なく、売りたい物が余っているとき、売れ残りが発生し、価格は下がります。
このように、物の価格は需要と供給のバランスによって変動するため、需要が増えたり供給が減ったりすることで、価格が上昇することもあれば、逆に下がることもあります。
2. インフレとデフレの仕組み
物価が上昇する現象を「インフレーション(インフレ)」、反対に物価が下落する現象を「デフレーション(デフレ)」と言います。
これらは経済全体に大きな影響を及ぼし、政府や日本銀行(BOJ)の政策にも関わる重要な指標です。
- インフレ
商品やサービスの価格が持続的に上がること。
インフレが起きると、お金の価値が下がり、同じ金額で購入できる物の量が減ります。 - デフレ
商品の価格が持続的に下がること。
デフレが発生すると、お金の価値が上がり、同じ金額でより多くの商品を買えるようになります。
インフレやデフレが起きる要因には、需要と供給の変化や経済の状況、さらには通貨の量などが影響します。
3. CPI(消費者物価指数)と物価の動き
物価の動きを把握する指標として、総務省が毎月発表する「消費者物価指数(CPI)」があります。
CPIは、私たちが日常的に購入する約580種類の物やサービスの価格を調査し、それを重み付けしてまとめた指標です。
このCPIを基にして、日本政府や日本銀行は物価の変動に対して適切な政策を行っています。
- 基準時
CPIは、ある基準時点の価格を100とし、現在の価格がその基準と比べてどのくらい変動したかを示しています。
この基準時は5年ごとに見直されます。 - コアCPI
季節変動の大きい生鮮食品を除いた指標で、より安定した物価の動きを表します。 - コアコアCPI
エネルギーや食料品を除いた指標で、さらに安定した物価の動きを示します。
日本銀行は、このコアCPIを基準として、インフレ率が2%になるように政策を調整しています。
これは、持続的な経済成長を目指すための目標で、物価が安定している状態を維持するための基準でもあります。
4. インフレを引き起こす3つの要因
インフレにはいくつかの要因がありますが、主に以下の3つのタイプが存在します。
- 需要プル型インフレ
経済全体で商品の需要が増え、供給が追いつかなくなると、物の不足が発生して価格が上がる現象です。
これは、消費者の支出や企業の投資が増えることで引き起こされます。 - コストプッシュ型インフレ
企業が商品を生産するためのコストが増加し、その影響で価格が上がる現象です。
例えば、原材料価格の上昇や、円安による輸入物価の上昇が原因となります。 - 貨幣量型インフレ
流通しているお金の量が増えすぎて、商品に対してお金が余ると発生します。
この場合、お金の価値が下がるため、価格が上がる結果となります。
5. マクロ経済の視点で見るインフレと総需要・総供給分析
マクロ経済の分析では、価格を縦軸、国民所得を横軸にした総需要曲線と総供給曲線を使ってインフレの状況を説明します。
例えば、政府の財政支出が増加すると、総需要曲線が右にシフトし、物価と国民所得が上がることになります。
逆に、原材料の供給が減少すると総供給曲線が左にシフトし、物価が上昇しつつ国民所得が減少する現象が生じます。
- 需要プル型インフレの原因
消費支出の増加、政府の大型財政支出、人口増加や経済成長。 - コストプッシュ型インフレの要因
戦争や自然災害、供給チェーンの混乱(コロナ禍など)、原材料価格の上昇。
6. インフレとデフレが金融資産・負債に与える影響
インフレが金融資産や負債に与える影響も重要です。
例えば、資産価値がインフレに対してどの程度影響を受けるかが、リスクとリターンに関わります。
また、インフレ下ではローンの返済負担が軽減される場合もありますが、変動金利では支払い金額が増える可能性もあります。
このように、物価の決まり方やインフレ・デフレの仕組みを理解することは、個人の資産管理や将来の計画にも非常に役立ちます。
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