2024年1月、マンションの相続税評価額の算出ルールが改正され、相続税の負担が大幅に増加する可能性が出てきました。
この改正は、高層マンションだけでなく、低層マンションにも広範囲に影響を与えています。
本コラムでは、初心者の方にも分かりやすく、マンション相続に伴う税負担の増加について解説いたします。
そして、相続に関して不安や疑問を抱えている方が安心できるようなコラムにいたします。
相続資産としての不動産と増税の背景
不動産は、一般的な相続において最も多く引き継がれる資産の一つです。
そして、その相続税の負担が増加する可能性が高まっています。これには、いくつかの要因が影響しています。
まず、2024年1月に改正されたマンションの相続税評価額算出ルールです。
また、相続税評価額の算定基準となる土地の価格指数、いわゆる「路線価」も年々上昇しており、これも相続税の増加に拍車をかけています。
例えば、東京都内の税理士事務所に相談に訪れた80代の男性は、昨年まで推定していた相続資産が約3億円だったにもかかわらず、今年新たに改正されたルールに基づいてマンションの評価額を再計算したところ、遺産総額が約4億円近くに膨れ上がりました。
結果として、相続税額は約7000万円にまで増加する見込みで、以前の予想額の2倍以上となり、新たな資金対策が必要となったのです。
市場価値との乖離
では、なぜマンションの相続税評価額算出ルールが改正されたのでしょうか？
その理由は、マンションの市場価値と相続税評価額の差が、一戸建て住宅に比べて大きくなりやすいという点にあります。
これまで、高額で購入したマンションが相続時には低く評価されることがあり、特に富裕層の間で「タワマン節税」として利用されていました。
タワーマンションなどの大型物件は、敷地持分が少なくなるため、相続税評価額が相対的に低くなりやすいのです。
しかし、この改正により、その差が是正され、マンションの評価額も一戸建てに近づけられることとなりました。
改正後は、マンションの相続税評価額が市場価値の少なくとも60%に引き上げられました。
建物の築年数や階数などの要素に応じて、評価額と市場価値の「乖離率」を計算し、評価額が市場価値の60%を下回る場合、その乖離率を基に評価額が修正される仕組みです。
都市部における影響
特に、東京都心の高層マンションではこの改正の影響が大きいです。
例えば、東京都内にある6年前に建てられた38階建てマンションの19階部分を例に取ると、従来の評価額は土地と建物を合わせて約4150万円でしたが、新ルールでは評価額が倍増し、約8350万円となりました。
評価額を算出する際、建物の築年数が長いほど乖離率が低くなり、評価額が低くなる一方で、階数が高いほど評価額が高くなる傾向があります。
特に、敷地持分が少ないタワーマンションでは、相続税評価額が従来よりも高くなることが予想されます。
低層物件への影響
改正は高層マンションだけでなく、低層マンションにも影響を与えています。
例えば、築14年の5階建てマンションの2階部分でも、従来の評価額と比較して約30%の増加が見られました。
タワーマンションに比べて敷地持分は多いものの、評価額の増加は無視できないほど大きいのです。
多くの方が「タワーマンションにだけ影響がある」と誤解しているかもしれませんが、実際には低層マンションにも広範な影響が及んでいます。
路線価の上昇
マンションだけでなく、一戸建て住宅を相続する際にも、相続税評価額はどのように計算されるのでしょうか。
その際に重要な役割を果たすのが「路線価」です。
路線価は、毎年7月頃に発表され、土地の相続税評価額を算定する際の基準となります。
2024年1月時点で、全国の標準住宅地の約315,000地点の平均値は、前年に比べて2.3%増加し、3年連続で上昇しました。
新型コロナウイルスからの経済活動の回復が進んだことなどが、価格上昇の要因となっています。
相続税負担の回避策
マンションや一戸建てを相続する際、どのようにして相続税負担を軽減することができるのでしょうか？
その一つが「小規模宅地の特例」を利用する方法です。
この特例を活用することで、住宅用地の評価額を最大80%減額することができます。
ただし、この特例を利用するためには、相続人が自宅を所有していない場合や、相続開始後も居住し続けることが条件となります。
また、相続後に不動産を売却して相続税を支払う必要がある場合、相続前に現金化するよりも、相続後に不動産を売却する方が、所得税を減らせる場合があります。
相続後に不動産を売却すると、取得費加算の特例を適用することができ、これにより所得税の負担を軽減できる可能性があります。
生前にできる対策
相続税負担を減らすために、生前にできる対策としては、不動産以外の資産を減らすことが有効です。
相続税は、基礎控除額を超える部分に課税されます。
したがって、生前に現金や株式を家族に贈与し、基礎控除内に収めることで、相続税の負担をなくすことが可能です。
ただし、贈与税のルールも改正され、相続開始前7年以内に行った贈与は相続税の対象となるため、早めの計画が必要です。
シャルル株式会社へのご相談をお勧めします
マンションの相続税負担が予想以上に増加することに困惑している方は多いでしょう。
特に、評価額が大幅に増加した場合、適切な対策を講じないと、思わぬ税負担を強いられることがあります。
しかし、相続税対策には専門的な知識が必要です。
シャルル株式会社は、相続に関するあらゆるご相談に対応し、適切なアドバイスと対策をご提案いたします。
相続に関して不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
以上の内容で、マンション相続と増税の影響について、初心者にも分かりやすく解説しました。
相続に関して、具体的な対策を講じるためにも、早めにシャルル株式会社へのご相談をお勧めします。
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