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国庫帰属制度とは?

 まず最初に、国庫帰属制度について簡単に説明いたします。
 この制度は、相続によって取得した土地を、相続人が管理・維持することが難しい場合に、国に引き取ってもらうための手続きです。
 たとえば、遠方に住んでいるために土地の管理が困難だったり、相続した土地が荒れ地で価値が低い場合などに利用されます。

 しかし、どんな土地でも国庫に引き取ってもらえるわけではありません。
 特定の条件を満たさない土地や、管理に多大なコストがかかる土地は、この制度を利用して国庫に帰属させることができない場合があります。
 以下では、そのような土地について詳しく解説いたします。

1. 国庫に引き取られない土地とは?

1.1 建物が存在する土地

 まず、建物が存在する土地は、国庫帰属の申請ができません。
 建物の管理には多くのコストがかかり、さらに建物が古くなるにつれて、管理費や労力が増大します。
 最終的には建物を再建築するか、解体する必要があるため、国はそのような土地を引き取ることを避けています。

1.2 担保権や使用収益権が設定されている土地

 次に、担保権(例:抵当権)や使用収益権(例:地上権、永小作権、賃借権)が設定されている土地も、国庫帰属の対象外です。
 国が土地を引き取った後でも、これらの権利を持つ人との調整が必要となるため、管理が複雑になります。
 特に、担保権が実行されると、国が土地の所有権を失う可能性があるため、申請は認められません。

1.3 他人が使用する予定のある土地

 他人が使用する予定のある土地、たとえば通路として利用される予定の土地なども、申請が認められません。
 このような土地は、所有者以外の人が実際に使用しており、今後も使用する予定があるため、国が管理する際に利用者との調整が必要になるからです。

 具体的には、次のような土地が該当します。

  • 現在通路として使用されている土地
  • 墓地内の土地
  • 宗教施設の境内地(例:本堂、礼拝堂、社務所、参道など)
  • 水源地、悪水路、ため池として利用されている土地

1.4 特定有害物質に汚染された土地

 土壌汚染対策法で規定される特定有害物質に汚染された土地も、国庫帰属の対象にはなりません。
 このような土地は、管理や処分に制約があるため、汚染の除去に多額の費用がかかることがあり、場合によっては周辺環境に悪影響を及ぼす恐れがあるためです。

1.5 境界が不明確で紛争のある土地

 隣接する土地との境界が不明確で、隣地の所有者との間で紛争がある土地や、他者が所有権を主張している土地も、国庫帰属の対象外です。
 このような土地を国が引き取ると、管理や処分の際に障害が生じる可能性が高いため、申請は認められません。

2. 申請しても承認されない土地

 次に、申請を行っても承認されないケースについて解説いたします。
 これらの土地は、申請が可能であっても、特定の条件を満たさない限り、国庫に帰属させることができません。

2.1 管理に過大な費用や労力がかかる崖地

 通常の管理に過大な費用や労力がかかる崖地も、承認されることはありません。
 具体的には、傾斜が30度以上で、高さが5メートル以上の崖地が該当します。
 このような土地の管理には多大なコストがかかるため、国はそのような土地を引き取ることを避けています。

2.2 管理や処分を妨げる有形物が存在する土地

 土地上に管理や処分を妨げる有形物(例:構造物、車両、樹木など)が存在する場合も、申請は承認されません。
 これには、放置された車両や、建物には該当しない廃屋、果樹園の樹木などが含まれます。
 ただし、住宅地のフェンスのように、土地の形状や性質によっては、管理や処分を妨げない場合もあります。

2.3 地中に有形物が存在する土地

 地中に有形物が存在し、それを除去しなければ通常の管理や処分ができない土地も、申請が承認されません。
 これには、産業廃棄物、建設資材、古い水道管、浄化槽、井戸などが該当します。

2.4 隣接地の所有者や他者との紛争が必要な土地

 隣接地の所有者や他者との紛争がなければ、通常の管理や処分ができない土地も、申請が承認されないことがあります。
 具体的には、次のような土地が該当します。

  • 民法に基づく通行権が阻害されている土地(例:袋地や、池や沼を通過しないと公共道路に接続できない土地)
  • 所有権に基づく使用収益が阻害されている土地(例:不法占拠者がいる土地)

 ただし、損害が軽微で通常の管理や処分に支障をきたさない場合は、この限りではありません。

2.5 管理や処分に過大な費用や労力がかかる土地

 最後に、通常の管理や処分に過大な費用や労力がかかると指定された土地も、申請が承認されることはありません。
 これには、次のような土地が該当します。

  • 土地の現状を変更しなければ災害の拡大や発生を防げない土地(例:土砂崩れや地盤沈下が発生している土地)
  • 鳥獣が生息し、農作物や樹木に被害をもたらす土地
  • 適切に造林、間伐、育林されておらず、改善が必要な森林
  • 国庫に帰属した後に、法律に基づき財政的な負担が生じる土地

3. シャルル株式会への相談のすすめ

 遺産として受け継いだ土地をどう処分すればよいか、迷われている方も多いのではないでしょうか?
 特に、遠方に住んでいるために管理が難しい土地や、法律や制度が複雑で、どのように手続きを進めるべきか不安に感じている方もいるでしょう。

 そのような方には、シャルル株式会社への相談を強くお勧めします。
 土地の管理や処分にお困りの方、または国庫帰属を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
 最適な解決策をご提案し、安心して相続手続きを進められるようサポートいたします。

 シャルル株式会社では、このような知識を身に付けるために、相続勉強会を開催しております。
 ぜひ知識を身に付け、ご自身のために、そして愛するご家族のために最適な方法を見つけませんか?

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