ご両親や親戚が農地を持っていらっしゃる方はいませんか?
もし、ご両親や親戚が亡くなった場合、その農地をどうするか考えていらっしゃますでしょうか?
本コラムを読んで、できる限り事前に準備しておいた方が良いなと思っていただけるようになった際は幸いでございます。
1. 相続登記
農地を相続する場合、住宅地の相続と同様に相続登記が必要です。
2024年4月1日からは相続登記の申請が義務化されており、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に手続きを行う必要があります。
2. 農業委員会への届出
2009年12月15日から、農地を相続によって取得した場合、その農地が所在する市町村の農業委員会に届出を行うことが義務付けられています(農地法第3条の3)。
農地法第3条の3では「遅滞なく」とされていますが、農林水産省の「農地法に関する事務処理基準」によれば、権利の取得を知った時からおおむね10か月以内に届出を行う必要があります。
農業委員会への届出を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります(農地法第69条)。
3. 農地の処分
相続人が遠方に住んでいて農地を自ら耕作・管理できない場合、農地の処分を検討することがあります。
しかし、農地の処分には農業委員会の許可が必要です。
例えば、農地を農地として売却する場合(一定の要件を満たす農業者や農業生産法人に売却する場合)でも、その農地が所在する市町村の農業委員会の許可が必要です(農地法第3条)。
また、農地を住宅地など他の用途に変更する場合や、用途変更後に売却する場合も、都道府県知事の許可が必要です(農地法第4条および第5条)。
このように、相続した農地は、農地として利用しない限り、住宅地の場合と異なる手続きが必要となります。
さらに、遠方に住んでいる場合は、農地の買い手や借り手を見つけるのは容易ではありません。
このような場合、農地法第3条の3に基づく農業委員会への届出には、農地の買い手や借り手との仲介を希望する旨を記載する欄があります。
農地の相続放棄
1. 農地のみの相続放棄はできない
相続放棄とは、相続人が被相続人の財産すべてに対する相続権を放棄することを意味します。
そのため、相続財産に農地が含まれている場合でも、農地のみを放棄することはできず、すべての相続財産に対する相続権を放棄する必要があります。
2. 相続放棄後も農地の管理が必要
改正民法第940条(2023年4月1日施行)相続放棄をした者が、相続財産に属する財産を現に所持しているときは、その者は、自らの財産と同一の注意をもってその財産を保存しなければならないとされています。
したがって、相続放棄をした場合でも、相続放棄者が農地を現に所持している場合、その農地を他の相続人や遺産管理人に引き渡すまで、自らの財産と同じ注意をもって管理する必要があります。
まとめ
農地が相続財産に含まれる場合、農業委員会への届出や、その後の農地の処分には、住宅地の場合とは異なる手続きが必要となります。
農地の相続が予想される場合は、上記の手続きについて事前に理解し、早めに準備や対策を講じることをお勧めします。
相続に関する複雑な手続きや課題をスムーズに解決するためには、専門的な知識と経験が必要です。
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