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ヨーロッパ経済の現状と将来展望:ドイツを中心に考える

 ヨーロッパの経済はウクライナ危機後も低迷が続いています。
 2023年の10月から12月までの期間、ユーロ圏の実質国内総生産(GDP)は前期比ゼロ%の横ばいでヨーロッパ国々の経済成長はほとんど停滞し、年率換算では僅かな0.1%の増加にとどまりました。
 ユーロを使っている国々の中で、前期と比べて経済がほとんど変わらなかったということです。
 成長率は年率換算でわずかに上昇しましたが、その上昇率もとても小さいです。
 特に、ヨーロッパ最大の経済大国であるドイツでは、経済がマイナス成長になる可能性が高まっています。

ヨーロッパ経済は景気の低迷が長引いている(ユーロ圏GDP、前期比年率)

 この情報はEUの統計局が発表したものです。
 市場の予測では、経済が前期よりも少し悪くなるだろう(前期比0.1%の減少)と予想されていました。
 そして、今回で2回続けて経済が悪化(マイナス成長)したため、景気後退のリスクが高まっています。同じ期間に、アメリカの経済は順調に成長しており、ヨーロッパとの経済差が広がっているということです。
 アメリカ経済との成長差が一層明確になっています。
 国別では、ドイツが前期比0.3%の減少となりました。
 フランスは横ばいで推移し、イタリアとスペインはわずかながら成長しています。
 しかし、ドイツの経済は厳しい状況にあり、製造業が経済の大部分を占めるため、資源価格の上昇や金利の上昇が景気に重い負担をかけています。
 欧州中央銀行(ECB)が急激に金利を上げたり、世界経済が減速していることも、外需の低下もヨーロッパの景気を抑制する要因となっています。
 企業の貸し付けが減少したり、住宅ローンが難しくなったりするなど、金融政策の変化が内需にも影響を与えています。
 将来についても、ヨーロッパの経済がなかなか回復しないという懸念が高まっています。
 ドイツ経済研究所によると、ドイツのGDPは2024年に0.5%の減少が見込まれ、2年連続でマイナス成長になると予測されています。
 各国の状況を見てみると、ドイツは前期よりも経済が少し悪くなりました。
 フランスはほぼ同じ水準で推移していますが、イタリアやスペインは少し成長しています。
 しかし、特にドイツの経済は厳しい状況です。
 なぜなら、ドイツの経済は製造業が重要な役割を果たしているため、原料の価格上昇や金利の上昇が生産コストや設備投資に悪影響を与えているからです。
 ドイツ政府は予算の見直しを進めていますが、過去の予算転用が違憲とされたことから、企業や個人の不安が増し、財源確保に向けた取り組みを行っています。
 しかし、このような混乱が企業の不安を増大させ、投資の先送りを引き起こしています。
 ドイツ銀行も同様に、24年のマイナス成長を主要シナリオとしており、経済見通しを下方修正する動きが見られます。
 このような状況下で、ヨーロッパ経済の先行きが不透明であり、改善の見通しは立っていません。
 ヨーロッパの景気は芳しくはありません。
 日本の景気もそんなに良いとは言えません。
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